壁紙選びは意外に盲点?
床壁天井を選びアドバイスするのはインテリアコーディネーターの大切な仕事である。
新築やリフォームの際に お客様は たくさんありすぎる壁材の中から何を
選んでいいか途方にくれている。
まずビニールクロス。大半の家が今ビニールクロスでできている。
信じたくないが、現実そうであろう。安価で扱いやすく流通もスムーズ。
汚れも掃除しやすく、拭きやすい。たくさん柄も色もある。
業者も安く手に入るから楽である。
でもこれって考えたらおかしい。
壁材って本当はたくさん種類があるなずなのに。
私は家じゅうの壁紙をたくさんの種類で変えるのはあまり好きではない。
どうしてもちぐはぐ感が出てしまう。
こういうと語弊があるが、センスのない人ほどたくさんの壁紙を使いたがる傾向がある。
色や柄は壁に入れるのはとても高級上級テクニックであり、その他後に続くいろいろなものを完ぺきに合わせていかないと難しい空間になる、。
ただ、白い壁紙を考えなしに使うと「安っぽい家になるからいや」というお施主様が言ったことがあった。
その気持ちはよくわかる。が、実はここに大きな誤解がある。
白い壁紙が安っぽいのではない。家の床材や建具や造作材、天井高さ。それらがチープに組まれていると 白い壁クロスはとたんに安っぽくなるのだ。
床が無垢材でしっとりしていて 建具などもしっかりしていて 天井が高く、照明計画もきちんとしていれば 一番安い国産のビニールクロスでも恐ろしくスタイリッシュで高級感ある空間は作れる。
それをビニールクロスのせいにしてしまってはいけないのだ。
他の金額が大きく変わるエレメントを変えることなく、金額一緒のビニールクロスで何とか
空間のグレードを上げようとすることはとても無理がある。
申訳ないが、ここはぐっとこらえて 白いシンプルなクロスにして、徐々にファブリックや
置いてある家具をお金が貯まったらグレードの高いものに買い替えていくしかないのだ。そうしないともうちぐはぐな壁紙の展示場のような家に出来上がってしまう。
日本のICは壁紙選びアドバイザーから始まったという歴史を聞いたことはある。
けれど 壁紙選び単体にあまりにも偏ると空間は完成しない。それを踏まえてICは
ビニールクロスと取り組んでいかねばならないのだ。